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飛び降りたアモンを、数十体の魔物が取り囲んだ。しかし、アモンは眉一つ動かさない。
アモン「……斬り捨てる」
刃を肩の高さで水平に構える。すると、何処からともなく爽やかな風が吹いた。
アモン「……風林火山、其の一・疾風翔(しっぷうしょう)」
アモンが刀を振ると、穏やかに吹いていた風が突然、突風に変わった。かなりの風速になり呼吸もままならない。突風に耐えかねた周りの魔物達が次々に空中に舞い上がり、真空波に刻まれていく。
……突風が吹き終わると同時に、アモンの頭上から血と肉の雨が降り注いだ。
アモン「……次」
アモンに続いて飛び降りたレイも敵に囲まれていた。だが、レイは楽しそうに笑っている。
レイ「あははははっ!潰れちゃえ!」
笑い声を上げながら振り上げた斧を地面に向かって一気に振り下ろす。
レイ「地狂閃・一閃(じきょうせん・いっせん)!」
斧が地面に触れた瞬間、レイを中心に大地が円形に割れた。近距離にいた魔物も大地と同時にとてつもない圧力で押し潰される。少し離れていた魔物がレイに襲い掛かろうと動こうとした。
レイ「地狂閃・二閃!」
斧がさらに深く地面に食い込み、魔物の動きが止まった。
…数秒後、レイが地面から斧を引き抜くと、止まっていた魔物達が一斉に何かに押し潰された。後に残ったのは、鮮やかな鮮血の血溜りのみ。
レイ「さぁて、次行ってみよ~!」
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