第七章 ユオンの剣

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「危なくないようにするのが俺の役目だから、リアーネはソフィと一緒に先に行って待っていてもらえるか? ナユも付けるからさ」 「えぇっ!? わたしも師匠と一緒に行きたいんですけど」  分かっていたことだが、ナユは不満の声を上げる。  しかし、今回ばかりはナユにも俺の言うことを聞いてもらおう。  今は俺たち二人だけの旅ではないのだからな。 「一人は戦える人間がソフィたちのそばに居るべきだ。一応俺だけで終わらせるつもりだが、近くに別働隊が潜んでいないとも限らないし、敵を取りこぼす可能性もある。そういう時にナユがいれば、安心して後ろを任せられるだろう?」 「わたしが後ろにいると安心して戦える……。これってもしかして、師匠なりの愛情表現だったりするんですか?」 「ああ、これでも信用しているんだ。ナユが後ろにいると思えば、俺も安心して戦える。だから頼むぞ」 「はい、任せてください! 師匠が取りこぼすとはちっとも思えないですけど、ちゃんと師匠の愛には応えてみせます」  微妙に意志の疎通が図れていない感じもするが、そこはご愛嬌。  いつものことだ。  大事なことさえ伝わってくれているのなら、気にしなくていい。 「レイラさんはどうしますか? この場はなるべく俺に任せて、不測の事態に備えていてもらえると助かるんですが」
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