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燃える。
わたしの全てだったモノが。
当たり前だった光景が。
狂おしいほどに愛おしかった日々が。
轟々と激しく燃え広がる紅蓮の炎に包まれ、呑み込まれていく。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
お父さんの言いつけを破ってお兄ちゃんを捜しに危険な森の中に入って、たくさん心配させちゃったから?
お母さんがせっかく遊んできなさいって言ってくれたのに、その好意を無視して畑仕事を手伝ってしまったから?
怠けてばかりのお兄ちゃんに怒って、つい「大嫌い!」なんて心にもないことを言ってしまったから?
だとしたら謝ります。
謝っても許されることじゃないかもしれないけど謝ります。
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