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俺が泣かしたのだ。
「お前はやはり軟弱者、だ」
さらに立ち代り俺が切り捨てた未来の象徴である彼女の罵倒が聞こえ、俺は自分の足元が崩れ落ちるような錯覚を覚えた。
分かっている。
これは夢だ。
俺の手から抜け落ちていった、二度とは手に入らないもの。
忘れることは許されない、俺がずっと背負わなければならない罪過。
ソフィとの再会が、過去を偲ぶ想いが、避け続けてきた悔恨を再び俺に突きつけたのだ。
「ソフィ……ナユ」
失うのは怖い。
また大切な誰かがこの手から抜け落ちる。
そんな光景を想像したら、恐怖で身が竦んで動けなくなる。
ならばまた逃げるのか。
失うのが目の前でなければそれでいいと何もかもを捨てて、俺は……、
「呼びましたか、師匠?」
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