OPENING-朝日ガ西カラ昇ル-

8/11
前へ
/24ページ
次へ
「え…あぁ…さっき鏡の中から…」 時兎はハッとした。 そうだ!! 喧嘩してる場合じゃない!! 「そうなんだよ!おれの部屋の鏡から翼生やした奴が…!」 「何!?」 それを聞くや否や、ぺぺは走り出し、二階へ向かった。 「ぺぺさん!?」 時成は時兎を睨みつける。 「早よ追いかけろ、バカ孫が!」 「はぁ!?ヤだよ!自分が行…」 「ァア゙!?」 「行きます!」 時兎は時成のオーラに逆らえず、ぺぺの後を追った。 何だこの家!? バケモノばっかじゃんか!! 何でこんなことになってんの!? 鏡から人が出てきたり うさぎがしゃべったり もう… わけわかんねぇ!! 自室のドアの前に立つと、細い隙 間から部屋を覗いた。 中にいるのはぺぺだけで、ルキと名乗った少年はいなくっていた。 「…少年」 恐る恐る入ってきた時兎に、ぺぺが声をかける。 時兎は一瞬ビクッとしてぺぺを見た。 ぺぺはルキが出てきた鏡と向き合っていた。 「この鏡の傷は…以前から…?」 鏡を見ると、不思議なマークのような傷と[L・L]というイニシャルが残されていた。 「…あ」 その傷には見覚えがあった。確かルキの手袋が取れた右手にも、同じような入れ墨があったはずだ。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加