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「これ…アイツの手にも…」
「ここにイニシャルがあるだろう?L・L…少年と接触した奴は、ルキと名乗らなかったか?」
「あ…あぁ、そう言ってた」
「やはり…。しかし予想以上に早かったな…」
ぺぺは一人でぶつぶつ言いながら、鏡の傷をなぞる。
「…あのさ」
そこに、時兎は勇気を出して声をかける。
ぺぺはそれに振り返ってこちらを見る。
「あんたは…何なの?」
真っ赤で大きな目に見られ、時兎は少し緊張しながら言った。
「じいちゃんの知り合いなら悪い奴じゃないだろうけど、人語ペラペラだし、さっきの奴についてもやたら詳しそうだ…」
ふむ
ぺぺは時兎の言葉を聞きながら、彼の器をはかる。
中々冷静だ
まだ受け入れ切れてはいないが
現状を理解しようとしている
流石、時成さんのお孫よ…
「我が輩は…」
ぺぺはゆっくり言った。
「ただのウサギではない」
「…解ってる」
ぺぺはお構いなしに話し続ける。
「少年と接触した…ルキは、我が輩等と対の組織に属している。我が輩は奴及びその仲間から、あるモノを守るために設けられた、擁護組織…TIME・CROSS[タイムクロス]の指令官である」
「たいむ…くろす…?」
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