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そんなコト考えて何になるんだよ?世界は全て、科学で成り立ってるんだ。深さや背景なんて考えても何もならない。
「ただいまー」
自宅に到着。おれの家は古い時計店兼喫茶店で、じいちゃん…十文字時成[ジュウモンジ・トキナリ]が店主をやってる。
今日も暇なんだな…。ハイジ読んで泣いてる。
「お帰り、時兎。今日は早いんだな」
「部活休みって言ったじゃん。てかじいちゃんこそ仕事は?」
「友達来るから終ーわりっ。ハイジいいトコだし」
「あっそ」
おれは階段を上って、二階の自室へ向かった。
話戻すけど、つまり[科学さえ考えていれば何の問題もない]ってコトだよ。
そう…そのはずだったんだ。
今、ドアを開けた瞬間風が吹き抜けたのは、気圧が移動し、空気に流れが出来たから。
雲が出来るのは、大気中の水蒸気が凝結して、極めて小さい水滴や氷の粒となり集まったからだ。
今、肩から鞄が落ちたのは、地球に引力が働いているからで…。
これらは全て[普通]しかし[科学]。おれが今まで生きてきた中で…少なくとも記憶には非科学的なコトなんて無かった。
じゃあ…壁に取り付けられたただの鏡から…人が出て来るコトは…?
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