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得体の知れないモノに触れるのは賢くないが、困っているのなら助けないわけにもいかない。
「頑張れー♪」
力一杯手を引く時兎に、ルキは脳天気に言った。
人事みたいにコノ…(怒)
イライラする気持ちを力に目一杯引っ張る。
「おっ!抜けそ…」
次の瞬間…
「「あ」」
ルキの手袋が取れて、時兎は思い切り尻餅を付いた。序でに頭を後ろの本棚に叩きつけられ、痛みに無言でうずくまる。
「いやぁ助かったー!」
どうやら無事抜け出せたらしい。時兎は痛みに耐えながら顔を上げる。
「ご迷惑お掛けしました。一時はどうなることかと…」
ルキは抜けた拍子に落ちたシルクハットを拾う。
「ありがとうございましたっ」
彼の全貌が明らかになり、時兎は硬直した。
まぢで何コイツ!?
ルキは背中に、悪魔のような…黒い翼を生やしていた。
「あ、そうだ!大事なこと忘れてました」
ルキはシルクハットを被り直して言った。
「俺、人を捜してるんです」
あれ…コイツ
いきなり雰囲気変わった?
時兎は空気に違和感を感じた。
「この辺に住んでるって聞いたんですけど、知りませんか?」
さっきより気味悪い…
というか
殺気立った感じ…
「[十文字時兎]っていう人間」
…おれ… !?
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