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「若しくは…君がそうですか?」
背筋がゾクッとして、体が無意識に動き、部屋から逃げ出した。振り返らず、急いで階段をかけ降りる。
「おや」
取り残されたルキは、クスクスと笑った。
「どうやらアタリらしい…」
―「じいちゃんじいちゃんじいちゃん!」
普段なら頼りもしない祖父を呼びながら、祖父の元へ急ぐ。
「じいちゃん大変っ…」
「何だねもぉ騒々しい!」
時成はちょうどお茶をしているところだった。ウサギのぬいぐるみと…一対一で。
「…」
今まで起こっていたことが、時兎の中で暫く消えた。
あぁ…
1/4でもこの人の血が流れてると思いたくない
おれも呆けたらこうなんのかな…
ヤだな…
「すまんねぺぺさん、馬鹿孫で…」
時成はぬいぐるみに向かって言った。
「人形に名前まで付けてんの?末期だな」
「何だと時兎!?ぺぺさんを悪く言うな!!」
「何だよ!何か間違ったこと言ったか!?」
「ぺぺさんは人形じゃあないっ!」
「じゃあ何だってんだよ!?」
時成はぬいぐるみの肩を抱いて、ビッと親指を立てた。
「BEST☆FRIEND」
「…寂しい老後だな」
「何をぅ!?」
時兎は真剣に老人ホームという時成の最期の生き場を考えた。
その時…。
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