プロローグ

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俺はふつうのガキだった。 朝は母さんに叩き起こされるまで寝て、起きてからは日が暮れるまでずっと友達と遊んで。 家に帰って、母さんの作った飯食って。そんで、父さんと風呂入ってから眠るんだ。 そんなふつうの、どこにでもいるガキだった。 ───‥‥俺の「ふつう」が崩れたのは5年前。 あの悲しさを、悔しさを俺は一生忘れない。憎しみや恨みは日に日に強くなっていく。 それに捕われて、少しずつ自分が自分じゃなくなっていく。もう、胸が腐りそうなんだ。 俺は笑いたい。 泣きたい。 ふつうに生きていきたい。 でも、それは許されない。 俺は一生この気持ちを背負っていかなきゃいけないのかな。 俺がずっと焦がれているのは、求めているのは、たった一言の―――――
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