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「……指、輪」
箱の中にはシンプルなデザインが施された指輪があった。
「ちなみに、ペアルック……な」
かなり恥ずかしかったけど、薬指にはめた指輪を魅せる。
「あはは~橙夜君、顔真っ赤だね~!」
「う、うるせぇ!」
……もはや定番となった沢村と俺の絡み。
「これ、高くなかったの?」
不安げに俺を見て喋る葵。……えぇ~、そうくるか~。と内心思いつつも口にはしない。
「大丈夫、所詮安物だから」
「嘘でしょ?最近雑誌で見たよ。人気のペアリングなんでしょ?」
……正解。心の中でそう呟く俺。けど、俺の言ってほしい言葉はそんなのじゃない。
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