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「ありがとうございましたー」
商品を詰めた袋をお客さんに渡し、笑顔の接客。かれこれ約2年も続けているバイトでの俺は、店長やパートのおばさん、大学生から新入りの後輩までいろんな人からの信頼を得ている。
名札に、『柚梨 橙夜』と書かれている。
「いらっしゃいませ、こんばんは~」
自動ドアが開くと共に笑顔を顔に貼り付けての挨拶。
「やっほ~」
「…………」
俺はお客さんは神だと思っている。以前、ドキュメンタリー番組で凄腕のアドバイザーが……『客が店を選ぶのではなく店が客を選ぶんだ』と言っていたのを見て、そんなもの邪道だ。とテレビに向かって吐き捨ててやった。
だからこそ今入ってきたお客さんに俺はこう言う。
「何の用だコノヤロー」
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