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――…
「ほら」
バイトが終わり、外で待っている沢村に缶コーヒーを渡す。
「ありがとう橙夜君!でも、私コーヒー飲めないんだ……」
……マジですか?なんか俺が空回りしてるみたいじゃん。
「だから、そのカルピスと交換して?」
有無を言わさないほどの速さで俺のカルピスと取り替える沢村……まぁ、いっか。カルピス、店長からの貰い物だけどな。
「それで?……用ってのは?」
俺は缶コーヒーを一口飲んで沢村に訊く。
「あ、うん。今度買い物に付き合ってもらえないかな~と思って……」
「買い物?なんで俺なんだ?」
「実はもうすぐ、ゆぅ君と付き合って1ヶ月記念日だからサプライズとしてプレゼントを買いたいんだ!でも、ゆぅ君の好みとか知らないから……」
話の最後の辺りからシュンとしだす沢村。
「……いいよ」
「え?ほんとに!?」
パッと笑顔になる沢村。
「あぁ。明日、学校が終わってからでいいか?」
「うん!ありがとう橙夜君。じゃあ、私はこっちだから……ばいばい!」
……沢村と別れてから、俺は夜空を見上げながら色々と考えていた。
やっぱり女の子って、記念日とか大切にするんだな。そういや最近は色々あったから、葵と記念日祝ってなかったな。
丁度いいな。俺も葵になにかプレゼント買おう。
……葵の驚いた顔を想像してにやける俺。
そんな夜の帰り道。
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