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「実はね今月の始めに別れたんだ」 「えっ!?」 ビックリしてグラスを落としそうになった。 「今まで日曜日は必ず会っていたんだけど 実はこのプロジェクトを成功させるために休みなしで働いていたんだよ。 会えなくなった結果 彼女は自分だけを愛してくれる男と付き合うから 別れてくれってさ…」 斎藤さんは右手に持ったグラスを見つめていた。 その目は寂しそうで悲しみとか後悔とかも感じた。 斎藤さんの右側に座っていたあたしは斎藤さんの右手を両手で包んだ。 「斎藤さん…あたしじゃダメですか?」 「朱里ちゃん…」 「あたし…あたし要さんが好きです。 要さんの寂しさを埋めたいです」 見つめ合うあたしと要さん 「……マスター…一部屋取れる?」 「大丈夫ですよ」 マスターの返事を聞いた要さんはあたしの耳元に顔を寄せて囁いた。 「朱里ちゃんに甘えてもいいかな?」 あたしの返事は決まってる。 「はい」
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