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「今朝、あの子に言ったのよ、サダムくん心配してるんじゃないのって。ケータイも事故で壊れちゃったし連絡つかないんじゃないのって」
サダムが必死で着信を残したり、メールを送っていた頃、すでにケータイが壊れていたようだ
「そしたらあの子、誰それ?って言うのよ」
サダムは後頭部をぐわんと殴られたような気持ちになった
―やっぱり怒ってるよな―
「前サダムくんが家の電話にかけてきた履歴があったから、そこから私が連絡したのよ」
「そうだったんすか…」
「そうよ、早く仲直りしなさいね」
母親の優しい言葉が突き刺さる
心配してただ夢中で来たが、合わせる顔が無いとはまさにこのこと
―原因は俺、てかどうしよマジ何て言おう―
サダムはすっかり落ち着きを無くしていた
「あら、終わったみたいね」
こちらへ向かうスリッパの音
母親は立ち上がっていた
やはり大丈夫よと言ってはいたが、親だから相当心配でいただろう
つられてサダムも立ち上がる
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