106人が本棚に入れています
本棚に追加
「お母さん、検査終わったよ、後で先生のところに話聞きに行かないと―」
ナナエだった
あごや手など、所々にガーゼをつけた痛々しい姿
ナナエは母親の隣のサダムに気付いた
「あ、こんにちは…?…お母さん、この人は?あ、昨日運転してた人…ですか?」
サダムと母親を交互に見ながら喋る
ナナエは
サダムを
忘れてしまった
「えっ事故の人じゃないんですね、すみません。じゃあ、一体あなたは…?」
忘れたふり、浮気への復讐かと一瞬思ったが、どう見ても演技ではない
ナナエのサダムを見る目は、他人のものだった
天使を泣かせた神様からの罰
―俺の存在自体を消した―
、
最初のコメントを投稿しよう!