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―ナナエのケータイはぶっ壊れてるらしいし、ナナエの母ちゃんから連絡が来るのを待つしかねんだよな…―
母親は娘の変化に気付いていなかった、
ということは、きっと他のことはちゃんと覚えていたということだろう
―なんで俺?俺だけ?―
事故の一時的なショックによるものだろうか
サダムは立ち止まった
―なんにしても原因は俺か…―
ナナエと喧嘩にならなければ事故は起きなかったかもしれない
ナナエがサダムを忘れたのは、それが消したい記憶だったのかもしれない
それだけつらかったということかもしれない
謝ろうにも、知らない人扱いなのだから、謝りようがない
―ボクはあなたがいるのに他の女の子と遊んでてけんかになりました、ごめんなさーいねー
言えるか!―
世界一みっともない自己紹介だと思う
頭をぶんぶんと振り、また歩き始めた
、
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