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夕方、ナナエの母親から連絡が来た
やはり、サダムのことだけ記憶がないらしい
事故による一時的なものだから、すぐ戻るかもしれないとのこと
ただ、いつなのかはわからないし、一生戻らないかもしれない
日常生活に問題は無いと言われたが
サダムは目の前が真っ暗になってしまった
―俺の日常生活には問題ありまくりだよ…―
大事には至らなかった、それだけでも嬉しかった
万一のことがあれば、喧嘩したまま一生会えなくなったのだから
しかし、
ナナエの中からサダムは消えた
少しも覚えていないらしい
サダムは電話を切る前に
「ナナエはもう落ち着いてますか?大丈夫だったら明日会いに行きたいんすよ。あ、もう大声出したりしないんで」
母親に尋ねた
初めは混乱していたが今は落ち着いているらしい
母親に了解を取り、電話を切ってため息をついた
、
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