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「なんでサダムくん?のことを忘れたんだろうね。あたし付き合ってたんだよね」
理由はわかっていた
だけど今の状況でそれは口に出来なかった
「うん、なんでだろうな」
それを言うので精一杯だった
いたたまれない気持ちだった
「あ、てか体は大丈夫?具合、良くなった?」
話を切り換えた
「うん、体は大丈夫、あさってには退院するから。あとは定期的に通院するの」
そっか、ならよかった
と安堵の息を漏らした
記憶がないのも嫌なのだが、体も心配だったのでとりあえず安心できた
「これからもうすぐ検査の時間なの」
―もしかして、遠回しに帰れつってんのかな―
それもしょうがないかもしれない、と思い
「あ、じゃ俺そろそろ帰ろっか?」
言いかけてハッとなった
、
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