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昼休み、美冬がみおと昼食をとっていると、扉が開く音がして、急に教室が騒がしくなった。
ザワ
ザワ
「え?可愛いー…」
「誰々!?」
そんな声がいろんな所から聞こえる。
美冬が扉の方へ目を向けると、そこには1人の少年が立っていた。
「……!!」
それは、忘れるわけもない、朝電車で会ったあの少年だった。
少年はしばらく教室を見渡していたが、美冬の姿をとらえると、こっちに向かってまっすぐ歩いてきた。
「先輩、すいません。ちょっといいですか?」
ニコッ
彼は、美冬の目の前に来るとそう言って微笑んだ。
キャーー
周りがざわめき、
ドタッ
とすごい音がした。
美冬が音のした方を見ると、クラスメイトが1人倒れていた。
視線を少年へと戻し、訳がわからないながらも言った。
「…あたし??」
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