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そして、翌日。
「これが、魔石ですか…。私も初めて見ましたよ…」
「このような色は魔石に違いありません、どうか息子を救ってください!」
セランを見て唸る聖職者に詰め寄るダリア。
その気迫につい後退る聖職者。
ベッドですやすやと眠るセラン。今周りで何が起きてるのかも知らずになんとも穏やかな寝顔を見せている。
今にも聖職者に飛び掛かりそうな勢いなダリアに、一応、と呼んだ魔術師が口を開いた。
「きっとこの石を外すのは、人の手を使うしかないでしょう。しかしそれはこの小さな身体ではとても危険だと思います……。
それと、幾ら聖職者に詰め寄っても恐らく身体に根付く魔石の力を弱めるくらいでしょう」
「な…なんだと……?」
淡々と喋りあげる魔術師に、ダリアは聖職者にかけていた手を弱める。
聖職者は乱れた服を直し魔術師を見た。
彼は少しの間を起き、強めの声音で言う。
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