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「ぅっ……ぅあぁぁぁーーっ!」
レイミーはついに泣き出した。
顔をくしゃくしゃにして、とまることなく伝い落ちていく涙を拭わずに。
悲痛な声を荒げて。
泣き崩れた。
それは、これで終わる一家にではない。
これから、幸せになれない、なることができないだろう最愛の息子にだ。
それは、ダリアも同じだった。
血が出るほどに強く手を握り締めて、声を殺した。
そして…小さく、言った。
「それでいい……頼む……お願いだ………息子を、セランを………」
もう限界だった。
悲痛な二人を見て魔術師は胸元で十字をきり神に祈った。
そして
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