タカシとマナミ

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多分俺は、雅也は時々変なことを言う面白い奴という認識しかなかったのかもしれない。 3年前の俺に自殺というものに考えろと言っても、分からないと答えるだろう。 今だって分からないんだからそうに決まってる。 俺は雅也と全く逆なんだ。 死に関心がない。 誰が死のうが、誰が殺されようが、人はいつか死ぬんだからそれが早くなっただけとしか思えない。 知り合いや、友達が死んだらそりゃ悲しくもなるし、泣いたりだってするだろう。 けど、それは死んだらの話だ。 例え死んでも2日もあればそいつが死んだことを悲しまなくなるだろう。 雅也がいくら自分の首を絞めたからと言っても、それを話ている雅也は俺の前にいるわけであって死んでない。 だから俺は死ななきゃ分からない。 無から有を想像することなんて俺には出来ないんだ。 色を知らない人に赤はどんな色と聞いても話にならないだろ。 それと同じさ。 でもだからこそ分からないことがある。 なぜ俺が今、学校に向かってるかってことだ。 人が簡単に死ねないことは分かってる。 だからおそらく雅也も学校にいない。 いたとしても火を付けるなんてことはしない。 ましてや自殺なんて。 分かってるんだ。 分かってるのに勝手に足が動く。 歩いてはずが早歩きになり、いつの間にか本気で走っていた。 
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