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認めたくなかったが、恐らくそうなのだろう。
雅也が行動しやがった。
「ちょっと焔君!!」
どこが燃えているのか確認しようと教室を出ようとすると片瀬に呼び止められる。
片瀬は泣いていた。
自分がしようとしていたことの最低さに気付き机にぶつかるのも気にせずに片瀬の元へ一直線に走り、震える体を抱きしめた。
「ごめん、ごめんな! 片瀬を置いていこうとした訳じゃないんだ! もしかしたら俺の友達がこの騒動を引き起こした張本人かもしれなくて…!」
今更何を言っても言い訳にしか聞こえない。
歩けない片瀬をこんな所に残して行ってしまうところだった。
それを考えた瞬間、まるで心臓に何百本も針を刺されているような痛みが俺を襲う。
一体何度目の後悔だろう。
俺は片瀬を来た時のようにしっかりと背中に結びつけた。
「もう絶対置いて行ったりしない。許してくれなんて言えないけど、これだけは約束する。必ず片瀬を家まで届ける。だからって言ったらズルイかもしれないけど少し俺に時間をくれ」
片瀬からの返事はなかった。
悩んでる場合じゃない。
無言は了承と勝手に思って行動する。
雅也が原因だとしたらほってはおけない。
あいつは自殺をすると言っていたんだ。
そんなことさせてたまるか。
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