セイジとイクヤ

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流れる涙を拭うことすらする気になれない。 見知った顔が挨拶をしてくるがこちらの顔を見た瞬間ごめんと一言添えて去って行った。 それが10人目になった時、僕はやっとのことで乱暴に涙を拭き取った。 多分、目が赤いだろう。 だけど、それはどうしようもない。 「誠二おはよ。早いな」 朝練をしている友達から声をかけられる。 「うん、日直なんだ。和也も部活頑張って」 大丈夫、普通に話せたはずだ。 「おお!んじゃまた後で」 大丈夫。 つくづく思う。早紀さえいなければ2つある大きな悩みの内1つが消えるのに。 学校では友達だって多いほうだし、誰とも喧嘩なんてしない。 ましてや人を叩くなんて考えられなかった。 駄目かもしれない。 あいつのせいで僕の生活がおかしくなってく。 ただでさえ今後の人生に終わりが約束されてるのに。
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