第1章~その名はクッキー~

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『もしかして、誰かにやられたのか?』 『う~ん……』  男がその疑問を尋ねると、アジェッタはかなり言い難そうに唸りだした。 『言えないのか?』 『えーと、その、なんていうか、とっても言いにくいんですけど……』  見ればわかる。 『私がこの部屋に人を連れてくると、“嵐”が来るんです』 『嵐?』  男は思わず口に出して言ってしまった。  人を連れてくると嵐が来る? なんとも変わった喩えだが、今この部屋の状況はその嵐を呼ぶ条件に当てはまっているのではないか?
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