第1章~その名はクッキー~

20/61
前へ
/181ページ
次へ
『な、なな、なん、ですか……?』  顔を赤くして、かなり戸惑いながらアジェッタは男に尋ねた。  すると男はこういった。 『そろそろ敬語はやめてくれ』 『え?』  アジェッタがどうコメントすればいいのか困っていると、男はトドメに、 『もう友達だからな』  と言った。  その言葉を聞いて、アジェッタは嬉しさのあまりにまた泣き出しそうになったが、ここは必死に堪えたようだ。 『じゃ、じゃあその、改めて自己紹介するね』  そう言うと、アジェッタはベットから立ち上がって、改めて自己紹介を始めた。 『私はアジェッタ・ダウクス・フローレン。ノタリコン魔術学園の一年三組だよ。よろしくね』  アジェッタは満面の笑みを浮かべた。 純粋な、とても良い笑顔だった。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

169人が本棚に入れています
本棚に追加