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突然の出来事だった。
ドアの向こうから詠唱文が聞こえたかと思うと、突風がドアを吹き飛ばし、一人の女性が現れた。
しかも、銀色に輝く長い髪と、鋭い眼光を放つ赤い瞳を持った、とてつもなくナイスな身体をした美女だ。
アジェッタと同じ制服を着ているということは、ここの生徒だろう。
だが、リボンの色だけが違う。青色だ。
確か、学園では一年生が紅色のリボン、二年生が青色のリボン、そして三年生が紫色のリボンだったはずだ。
となると、今現れたこの美女はアジェッタの一つ上の先輩と言うことになる。
『に、ニール先輩!どうしてここに』
ニールと呼ばれた美女は、ズカズカと部屋に入ってくると、いきなりアジェッタを抱きしめた。
『な、ちょっと、先輩!?』
『アジェッタちゃんがぁ帰ってくるって聞いたからぁ、慌てて駆けつけたンだぞぉ』
ニールはまるで猫のような甘えた声で、戸惑うアジェッタの頭を撫で回した。
『でも』
ニールは男の方に視線を移すと、まるで鬼の様な形相で睨んできた。
『テメーは誰だ?あん?』
口調まで変わってるし。
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