第1章~その名はクッキー~

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『せ、先輩、違うんです!この人が悪いわけじゃないんです』 『見たところ、東ゲートの門番だな。だが』  ニールは必死で誤解を解こうとするアジェッタを無視して、左手を男の方にかざした。  ニールの左手には魔術円が刻まれている。 まさか……撃つ気か? 『アジェッタちゃんを泣かす野郎は誰だろうが許さねぇよっ!風弾!』  ニールが詠唱すると、左手に空気が収束され、弾丸となって男に向かって放たれた。 風の魔術の一つ、エア・ショットだ。  男はとっさに両腕で風の弾丸を受け止めようとしたが、あまりの威力に両腕は弾かれて、それは男の胸部に直撃した。 風の弾丸の勢いは止まることを知らず、窓ごと男を外に吹っ飛ばした。
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