第1章~その名はクッキー~

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 そこで初めて、男はニールに対して恐怖を抱いた。 ニールの言葉の一つ一つには、計り知れない殺意が込められていたからだ。 『落ち着いてくれ』 『黙れ!風閃っ!』  ニールの右足の踵に、周りの風が一点に集まっていく。 『喰らいやがれぇ!』  ニールは攻撃の届かない離れた距離から右足を男の方向に突きだした。 『何を――』  男は完全に油断していた。  まさか、10メートルも離れた距離から攻撃が届くとは思わなかったのだ。 『なっ!?』  ニールは右足に纏っていた風を、蹴りだす瞬間に男に飛ばした。  風の魔術の一つ、ソニック・キャノンだ。
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