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「………むっ」
前方約200mぐらい先から、何かがこちらに向かってきていた。
男は目をすぼめて、それを凝視した。
ボロボロの黒いフード付きの外套を纏った何かだ。
いや、何かというよりも、あれはおそらく人間だろう。ただ、外套で全身を覆い、フードも目深に被っているため容姿は一切分からない。
外套を纏ったそれは、100m辺りで男の存在に気付くと、数秒だけ立ち止まり、再びこちらに向かって歩き出した。
もしや、新手のコソドロか?それにしては目立ちすぎだ。それとも学園の関係者か?いや、そうだとしても、さすがに―――怪しすぎるだろう。
そうこう考えていた内に、外套を纏ったそれは男の目の前まで接近していた。間違いない、人間だ。それもかなり小柄の人間だ。
『あの~…』
声の高さからして、外套を纏ったそれは少女だと思われる。
『私、この学園の生徒なんですけど……通してくれませんか?』
『無理だ』
『ふぇ(T□T)!?』
男がきっぱりと即答すると、少女はフードを脱ぎ、泣きそうな目でこちらを見つめてきた。
しかも、驚いたことにこの少女、もの凄い美少女だ。
腰まで伸びた美しい金髪で、青空の様に蒼い瞳を持つ、透き通る白い肌をした、
ロリッ娘。
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