第1章~その名はクッキー~

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『なら、それでいい……』  男はアジェッタから目を逸らしたまま、渋々とそう呟いた。 『じゃあ改めてよろしくね。クッキー!』  アジェッタがこちらに右手を差し出してきた。  男は、いや、クッキーはその手を掴んで、諦めたように苦笑した。 『よろしく。アジェッタ』  まさか、アジェッタと知り合ったこの一日で、門番をクビになって魔術学園に入学させられるなんて、クッキーは考えてもなかった。  でも、後悔しても仕方ない。  こうなったら、ちゃんと勉強をして学園を卒業したらこの国(名前忘れた)の首都(これも忘れた)にでも行って、そこで働こう。  クッキーはもう数年先の就職活動の予定を考えていた。
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