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『なら、それでいい……』
男はアジェッタから目を逸らしたまま、渋々とそう呟いた。
『じゃあ改めてよろしくね。クッキー!』
アジェッタがこちらに右手を差し出してきた。
男は、いや、クッキーはその手を掴んで、諦めたように苦笑した。
『よろしく。アジェッタ』
まさか、アジェッタと知り合ったこの一日で、門番をクビになって魔術学園に入学させられるなんて、クッキーは考えてもなかった。
でも、後悔しても仕方ない。
こうなったら、ちゃんと勉強をして学園を卒業したらこの国(名前忘れた)の首都(これも忘れた)にでも行って、そこで働こう。
クッキーはもう数年先の就職活動の予定を考えていた。
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