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『え?』
そこにあったのは、両手首の二つの金色の腕輪と、パンツ以外何も着てない少女の姿だった。
少女は己の状況にまだ気付いていないのか、呆然としたまま身体の方に目線を移した。
すると、少女の顔から表情がパッと消えた。
次の瞬間、少女は耳まで顔を真っ赤にし、両手で“まな板”を隠しながら大声で叫んだ。
『きゃああああああああ!!』
その時、誰に教わったのか、何でそんな言葉が出てきたのか分からないが、男はぽつりと呟いた。
『痴女』
そして、どうやらその一言は少女にもちゃんと聞こえたらしい。
すくと立ち上がった少女は泣きながら片手を男の方に向けた。
『雷伝…!』
少女がそう呟くと、手首の腕輪が急に広がり、その内側に光の模様が発生した。
これは――魔術か!
しかし、男がそれに気付いたときには、もうすでに手遅れだった。魔術が発動した。
それは雷の魔術の一つ、ショック・ウェーブ。
『痴女じゃないもんっ!!』
轟音とともに少女の手首から発せられた幾筋もの雷が、男の身体に直撃した。
その瞬間、男はとても重大な事を思い出してしまった。何で忘れていたのか不思議なくらい大切な事を。
しかし、男は喜ぶ暇もなく気絶した。
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