第2章~爆炎と突風~

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『そう、それじゃ。お主の魔術は特別すぎるから、人前でそれは絶対に使わないようにな。代わりにホレ、これをやろう』  と言って学園長は、ポケットから銀色に輝く腕輪を取り出して、机の上に置いた。  何だか、アジェッタが付けていた腕輪に似ている気がする。 『その腕輪には、風の魔術のデータが入っておる。詠唱とともに魔力を注げば、風の魔術が発動するように出来ておるぞ』  クッキーは無造作に腕輪を手に取って、それを右手首に付けたみた。 『……何で風の魔術なんだ?』 『何を言っておるんじゃ?お主は風の魔術師じゃろう?』  もしかして、学園長も俺が雷の魔術を使った事を知らないのか?  戦いの一部始終を見てたはずなのに、歳のせいか?  これだと、俺が雷の魔術を使ったのを知っているのは、ニールだけになるな。
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