第2章~爆炎と突風~

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★★★        そして現在。  クッキーは三階にある一年生の教室に着いたのだが、入るタイミングが分からずに困っていたのだ。 『さて、どうするか……』  ここは敢えて、突然教室に入って自己紹介をするべきか?  それとも、ノックしてゆっくりと教室に入り、優雅に自己紹介をするべきか?  いや、この二つの方法のどちらかを使ったとして、今日俺が一年に編入することを知っている者はアジェッタ以外いないじゃないか。  それだと他の生徒達は俺の突然の自己紹介に付いていけない。  ……どうすればいいんだ。 『おい』  突然、後ろから男の声が聞こえたので、クッキーは声のした方向へ振り向いた。  そこにはタバコを吸った中年くらいの男性が立っていた。  クッキーは教室に入るタイミングを必死に考えていたので、男性の接近に全く気付くことが出来なかった。 『お前だな?学園長が言ってた編入生ってヤツは』  男性はタバコの煙を肺に入れると、だらしない表情をしながらゆっくりと吐き出した。
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