『シンデレラ』

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和「あ、この曲は!!」 薫「お母様のテーマソングだわ」  いい加減にしてほしいくらいの棒読みでそう言うと、姉二人は身を固くします。 亜(ゴットファーザーのテーマソングだ……) 皇「貴様ら!! まだそんな格好をしておるのか!? 早く着替えんか!!」  継母は、リビングに入ってくるなり、怒鳴り散らします。 亜(か、亀!? お母様、背中に亀って書いてあるわ!!)  継母は、自分が着ている橙色の胴着と同じものを姉二人に投げつけました。 和「……お母様、これはちょっと……倫理的によくないかと……」 皇「何をわけのわからぬことを!? それを着なければ金髪にならんのだぞ!!」  継母は、それでもいいのか! と姉2に凄みます。 薫「私はもともと金髪だから……」 皇「何も金髪になるだけではない! 空も飛べるし、瞬間移動まで! なにより、自分の事をごく自然に『オラ』と呼べるのだぞ!!」    有無も言わさぬ継母の説得に、姉達はしぶしぶ世界レベルで有名な胴着に袖を通しました。 皇「シンデレラ、貴様は留守番だ。 ……怪我をさせるわけにはいかんからな」  継母は何やら意味深な、そして血のつながりはないにしても、母子、禁断の香りがプンプンすることをボソっと呟きました。 亜(よかった……)  シンデレラは、胸を撫で下ろしたのでした。  めでたし、めでたし。
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