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「灰色の空から舞い降りる雪をみつめながら、地面に寝ている私。
白い身体に白い着物。
私ゎもぅすぐ人柱として、小さな祠のある…まだ水の冷たい小さな湖に身を沈める。
私の家ゎ貧しく、父母、妹が二人と、弟が二人。
家族を助けるにゎ、私が人柱になるのが一番なんだ。
納得いかないまま、長かった髪を肩位で切り、切った髪ゎ家族の元に遺髪として送られた。
もぅ時期私ゎ…そぅ考えたら、家族に会いたくなった。
ある夜、雪の降るなか裸足で走って逃げた。
白い身体に白い着物…寒さに手も足も、頬さえも赤く染めて、髪を振り乱しながら、後ろさえ振り返る事も出来なぃ位必死で走った。
雪が段々深くなって来た…家が近いのが分かる。
そのまま、雪よ降り続いて…私の足跡を消して。
家に帰り着くと父母ゎ私を突き放した…泣きわめき、私を呼ぶ妹達を押さえて。
…そぅ、私が行かなければ、幼い妹達の誰かが私の代わりになる。
それを避けるためだった。
家の奥に私の遺髪と、私の好きな花が見えた。
私ゎまた走った…。
逃げる為じゃなく、戻るために。
そぅ…私ゎ愛されていたんだ。
そして私も、家族を愛していたから、必死に走って戻った。
湖に身を沈める時、冷たいはずの水が、温かく感じた…。
家族が私の遺髪と共に、私の好きな花を置いてくれていた事に…優しい愛を感じていた。
家族の為に…そぅ思ったら、水が温かい。
私ゎ理解出来た…納得して人柱になれる。
この次生まれて会えたら、今度ゎもっと…。
ゆっくり揺れる水中
…私ゎ沈みゆく。
優しく…温かい水の中に。
愛を抱いて…。」
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