8人が本棚に入れています
本棚に追加
「魔女の眠れる森…立ち枯れの木が、上手く風を逃して、微かに揺れる。
森は草花が、成長しながら、競う様に天を目指す。
森の中央には、魔女が住むと言うが、実際見た者は居ないらしい。
中央にあるのは ただ、小さな湖から流れこんだ、小川から出来た小さな小さな池があり、そこに…小さな箱が沈んで居るだけで、魚が泳ぐ。
…でも、満月の黄昏せまる時…箱が開き、一人の美しぃ女性が目を覚ます。
…魔女。
魔女は、久しぶりに目を覚ますと、月に挨拶している。
瞳は真紅に染まり、動き出す。
「…月ょ…私をまた起こしたの?…貴方が姿を無くすまで、また一緒ね」
池の底…開いた箱に魚が群がる。
魔力を受け、その魚達の目も真紅に染まる。
魔女の長く美しぃ黒髪を、風がすく。
魔女は…ただ、周りの幸せを壊したく無くて、この森の中心の池に封じて貰った。
自ら、信頼出来る者一人に封印を頼んだ…でも、その者は 魔女を不憫に思ぃ、満月の黄昏時から月の出ない新月まで、眠りから覚める様にと、術をほどこしました…。
魔女は一人ぼっち…優しい夢から覚め、森をさ迷う。
新しい夢を見る為に。
魔女は 怪我をした小鳥ゃ動物達を癒して、風ゃ水と遊ぶ…。
一人…箱に戻るまで。
真紅の瞳に溢れる涙…魔女は己の非力さに、涙した。
追放だけでなく、火あぶり…その運命を受け入れなかった…己の愚かさに。
今宵は月にダンスを披露…明日は風と詠ぅ。
そぅして、箱に戻るまで…魔女は森を守る者。
月が満ちるまで…また、月が姿を隠すまで。
魔女の眠れる森は また…黄昏時を迎える。」
最初のコメントを投稿しよう!