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雪の下には何がある?
その問い掛けには、覚えがある。自分も以前そんなことを質問したことがあったから。
私はいつの間にか、自然と微かに笑んでいたと思う。懐かしいあの頃の幼い私と、私の手を包んでくれていた温もりを思い出して。
あの時の温かな答えを思い出して。
「雪の下には、ね……希望が、待っているんだよ」
私はそう言って冷たい彼の手に、ほんの少しだけ彼よりは温かな私の手を重ねた。
彼は不思議そうに私の目を見て、そして笑った……ような気がした。
そうだったら良いな、と私は思った。
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