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「じゃあ、星なら……何て、答えるの?」
星瞬は今度ははっきりと答えた。
「雪の下にはな、暖かさが隠れて春を待っているんだ」
「……」
「べ、別に雪が溶けると春が出てくるとか、そんなファンシーなこと思ってないからな!」
「……」
「お、親父が言ったんだよ!昔!……親父は母さんの受け売りらしいけどな。母さんはどうだかしらないが」
「……」
「む、無言禁止!」
実は相当照れ臭いことだったようで、必死の言い訳をうっすらいつもより赤い頬をして叫んでいる。
でも私はびっくりして思わず言葉が出なかっただけだ。ようやく口をついた言葉は、
「……素敵な、言い方、だね」
「……ふぇ?」
今度はよっぽど意外だったらしく呆けた顔の星瞬。
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