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「星がそんなこと、言うとは……思ってなかった」
「お、俺だって意外だ!あー、なんで思い出したんだかなぁ……あんなこっ恥ずかしい台詞」
「……そんなこと、ない」
良い言葉だと思う。心の底から。
「……お前は、どうなんだよ……」
「ん?」
「だから!お前もなんかあるんだろ、そういうのが!さっきそんなこと、言ってたろ」
一応ちゃんと聞いていたらしい。そのことの方が、私には意外に思うけど。
私は星瞬にこくっ、と頷き返した。
「お母様が以前……教えて下さった、言葉」
「なら教えろよ。俺だけ言うなんて、フェアじゃねぇだろ」
「ん」
その通りだと思う。
だから私も言う。記憶の中の母様の言葉。彼に言ってあげた言葉。それらを思い出しながら。
「星。雪の下にはね──」
無邪気に質問をした、あの頃を思い出しながら。
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