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結局何をするでもなくリビングへ来てしまった
もちろん誰もいない
とりあえずソファーに座り、テレビの電源をつける
適当にチャンネルを回していると、天気予報が目に入った
今日から五日間は晴れるそうだ
だとすると、入学式の日は晴れだということだ
なんだか楽しみでたまらない
そう、可奈は今日の四月七日から、高校に通うのだ
しかも県でもそこそこ高い偏差値の学校だ
まあ出来た覚えもないのだが
そこは女子校なので、気楽に学校生活をエンジョイ出来るはずだ
気付くと、時刻はすでに7時になろうとしていた
さすがにゆっくりし続けるつもりはないので、そろそろ着替えようと思う
「なんだ、可奈、起きてたの」
ちょうど立ち上がろうとした時に、背後から声が聞こえた
「ああ…お母さん」
振り返り、母…裕美
(ユミ)へと歩み寄る
「もうご飯作るから、着替えてきな」
「言われなくてもそのつもり」
可奈は裕美の横を通り過ぎて、廊下に出る
そしてすぐに階段を上がる
「5分で作るからね」
「わかった」
少し声を張り上げて応えた後、可奈は自室へと入った
ドアを閉め、クローゼットの取っ手に手を掛ける
開かれた中には、一着の新品の制服がハンガーにかけられていた
今日から、毎日これに袖を通すのだ
自然と顔が綻ぶ
と、こんなことをしてる場合ではない
すぐにパジャマを脱いで下着姿になる
ちなみにピンク
シャツを着て、スカートを履いて、リボンを首に巻く
あとはブレザーを着れば着替え完了だ
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