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「うう、寒いなあ……」
とある冬の日。リン・ランヴェルは家の外、玄関の前で1人立っていた。かじかむ手を温めようと息を吐く。指先に感じる温かさはすぐに消え、吐いたその息は白くなって風に流された。
この指先の痛むような寒さの中、なぜリンが外に居るのかというと、それは1時間程前に遡る。
リンは特にする事も無く暇を持て余していた。仕方なく暖炉の前で椅子に座り本を読み始めるが、その本はもう何度も読んだものだった。
部屋には紙を捲る音と薪の燃える音、そして分針が正しく時を刻む音だけが響く。
リンは茶色い肩までの髪の毛に同じく茶色の瞳で、身長は低く見た目は10歳前後。少し可愛らしい顔立ちだが、列記とした男だ。
そんな見た目とは違い、リンの実年齢は23歳。なぜか『ネーム』の地に生まれた者は他の地で生まれた者と老いる速度が違うのだ。
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