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「お兄さん、いらっしゃい」
リンが微笑んでそう声を掛けると、青年の肩がびくと揺れた。そして青年の海のような青い瞳に光が灯る。
「……え、あ」
「まあウチ入ってよ、寒いから」
「あ、ありがとう……」
ここはどこだと言いたげな表情で戸惑う青年をリンは家に招き入れた。
暖炉のお陰で室内は暖かく、青年の表情が自然と穏やかなものになる。
リンは玄関で立ち尽くしている青年の手を引き、暖炉の前まで連れて行くと椅子に座らせた。
そして台所でマグカップに温かいミルクを注いで青年に差し出す。
「ミルク。飲める?」
「あ、ああ。飲めるよ、ありがとう」
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