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「わかった。全部話すよ。」
俺は、書いていたノートと教科書をパタンと閉じた。
そして光姫と会ったことから今までのこと(光姫の病気のことは省いて)を話した。
「…そうか。その光姫って子とは俺の母親の見舞いに行った時に会ったのか。」
「あぁ。」
「それでお前、次の日様子変だったんだな。」
憲哉は頷きながら言った。
憲哉の中で、何かのつじつまが合ったらしい。
「変…だったか?」
「うん、変だったぞ。
あの日は、浮かない顔で1日中ぼーっとしてた。
光姫って子のこと、思いだしでもしてたのか?」
「…。」
正直言って図星であった。
さすが親友だ。俺の心が読めてしまうらしい。
「で、その子何の病気なんだ?
お前のことだから、塾をやめた理由もきっとそこにあるんだろ?」
どきっ。
す、鋭い…。
俺は憲哉に自分の心を全て見透かされているような気分だった。
「そうなんだろ?
お前、その子の病気が重いから、わざわざ塾やめて、一緒にいてあげようと考えてるんだな?」
俺はまたまた図星のため、頷いた。
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