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「やっぱりな。
お前はそういう奴だもんな。」
「光姫は…もう永くないんだ…。
体力がなくて、手術もできないらしい。
光姫自身も、そのことは知ってる。」
憲哉が一瞬固まったのがわかった。光姫の病気の深刻さに驚いたのだろう。
「そうなのか…。」
でも、お前…好き…なんだな。その子のこと。」
「…好きだよ。
光姫の病気を知ってから、ますます好きになって、どんどん光姫が誰よりも大切な存在になっていったんだ。
自分の気持ちが止まらなくなってきて、光姫ともっと一緒にいたいって思って。」
「だから、塾やめたのか…。」
「あぁ。」
憲哉は深いため息をついて、少し笑った。
「お前らしいな。」
「そうか?」
「彼女のこと、守ってやりたいと思ったんじゃないか?」
「そうだな。そうも思ったかもしれない。」
俺と憲哉はそう言って笑った。
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