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光姫が、また笑顔を失いつつあった。
俺が見舞いに来ると、いつも震え、泣きながら抱きついてくるようになったのだ。
「怖い…怖いよ…助けて…」
「光姫…。」
かなり気が弱くなってしまっているようだった。
看護師さん達も、光姫のこの状態にはお手上げみたいだった。
前に俺を激しく叱責した看護師さんでさえ、心のケアがうまく出来ずに悩んでいた。
とりあえず落ち着かせるしかないので、精神安定剤を打ってもらい、眠らせる。
こんなことが毎日起こっていた。
「光姫…。俺はどうすればいいんだ?君に何をしてやれる?」
光姫の寝顔に問いかけてみても答えは見つからなかった。
俺は自分が悔しくてならなかった。
何も出来ない自分に、腹がたった。
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