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「え…」
「壮介さん、認めてください。
お姉ちゃんを笑顔にしたのは壮介さんです。」
俺は言葉を失っていた。
今までこんなに感謝されたことなかったから。
「壮介君、光姫に…会ってくれるか?」
「…いいんですか?」
「光姫が、君を呼んでるんだ。
会ってやって欲しい。」
光姫のお父さんに勧められ、俺はマスクを着け、手指の消毒をして、病室に入った。
「光姫…」
俺は光姫の変わり果てた姿に驚いた。
点滴、酸素マスク、モニターを細い体につけられ、苦しそうに荒い呼吸をしていたからだ。
「…壮…介…?来てくれた…の…?」
俺が側に来たことに気付いた光姫が、途切れ途切れになりながら必死に言って手を伸ばしてきた。俺はその手を握った。
「光姫、大丈夫か?」
「(頷く)心配かけて…ごめん…ね…」
「…もういいよ、喋るな…。」
「ううん…言わせて…。
壮介…私のこと、好きって…言ってくれて…ありがとう…。」
「…光姫…」
「私…壮介と会えて…嬉しかった…だから…私と会った証に…ひとつ、約束して…?」
「何…?」
俺はこの日光姫とひとつ約束を交した。
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