17人が本棚に入れています
本棚に追加
光姫と会って、一週間が過ぎた。
光姫は、自分の病気を告白してくれた。
2年前、徐々に視力を失なっていく病気にかかったこと。
今は腎障害という病気で入院しているということ。
光姫の病気を知り、それから俺は毎日光姫の病室に通った。
塾があるから、毎日30分程度しかいられないんだけど、それでも光姫は喜んでくれた。
光姫は、俺と話をするのが楽しくて仕方がない様子だった。
17歳なのに、普通に学校に行くことができない光姫は、俺と話すことで、外の世界を少しだけ知ることができたのだろう。
「へぇーそうなんだ。
私も行きたいなぁ、高校。」
「光姫ちゃん…。」
「私はこんな病気になったからさ、普通に学校に行ける人が羨ましくてたまらないの。
私も、2年前までは普通の中学生だったのよ。普通に受験勉強とかもしてた。」
「そっか…光姫ちゃん、病気になる前は普通に学校行ってたんだ…。」
そう言われてみれば、そうなんだよね。
光姫は、元々は普通の女の子だった。
病気にならなければ、今は普通に高校行ってたんだよな。
「…病気のせいにしても、どうにもならないってわかってるけど。でも、悔しい…。」
光姫は、そう言ってポロポロ涙を流した。
俺は、そんな光姫に何も出来なくて。
溢れる涙を拭ってやることしか出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!