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とりあえず背伸びをしてみても、鍵が微かに出っ張りに触れるくらいで、上手く引っ掛けられない。
時刻は既に7時。
夏が近づいてるとはいえ、暗くなり始めて来た。
生徒もほとんど下校してしまっただろう。
「うー」と一人唸っていると、後ろに人の気配がしたので、急いで振り返った。
「あれ?見ない顔…。新入りさんですか?」
あたしより少し身長が高いショートの髪の女の子がいた。
(か…かわいい!)
女のあたしが思うくらいに、目はくりくりしていて、ショートの髪が風になびいて、なんかいい香りもしていた。
「……今日から…陸上部のマネージャーになりました…。三上奈緒です」
あたしがあたふたと自己紹介をすると、女の子はニコリと笑って、
「寒藤雪魅です」
と言った。
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